自民、参院選にらみ歳出圧力=災害続発、「強靱化」旗印に

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自民党内で災害に強いインフラ整備による「国土強靱(きょうじん)化」を求める声がここに来て高まっている。大阪北部地震、西日本豪雨と続いた大規模災害を理由に関連の歳出を増やし、来年の参院選で建設業界などの集票につなげる思惑がある。政府が視野に入れる補正予算案への計上を狙うが、財政の悪化を懸念する声も出ている。

「毎年、大きな災害がどこで起きるか分からない状況だ。ハードとソフトを合わせ、どう備えるか考える時期を迎えている」。竹下亘総務会長は14日、新潟市内の会合でこう強調した。

口火を切ったのは国土強靱化が持論の二階俊博幹事長だ。10日の記者会見で「財政的な問題も無視できないが、今は万全の対策を取っていくことが優先されるべきだ」と強調。12日には、安倍晋三首相に近い細田博之元幹事長が「大規模ダムが必要だと大雨で確認された」と同調した。

二階氏らの念頭には来年の統一地方選や参院選がある。アベノミクスで回復基調だった経済に陰りが見え、都市部と地方の格差を指摘する声も根強い。森友・加計学園問題など一連の政権不祥事で急落した内閣支持率も以前の水準まで戻っていない。党幹部は「被災地に十分な金を回さないと負ける。国土強靭化は目玉になる」と語った。

関係者によると、首相も「自治体が予算を気にしないようにどんどん使えるようにしろ」と指示しているという。国土強靭化を自民党総裁3選に向けたアピール材料にしようとの思惑も透ける。

これに対し、岸田文雄政調会長は総裁選を前に財政再建を重視する姿勢を強調している。13日のTBSの番組収録では、「予算、制度面で今までの概念にとらわれない見直しも必要だ」とする一方で「財政健全化は決してないがしろにしてはならない」と指摘した。

公共事業関係費は2018年度予算まで6年連続で増加しており、財務省は大幅な歳出増に消極的とみられる。今後、政府・与党内で駆け引きが繰り広げられそうだ。

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