読み切れなかった金融危機=「リーマン」前夜、予測難しく-08年上期の日銀議事録

政治・外交

日銀は17日、2008年1~6月の金融政策決定会合の議事録を公表した。米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題に端を発した世界的な金融不安がくすぶる中、6月会合で白川方明総裁(以下、肩書は当時)は「大手金融機関が突然破綻することを指した危機、最悪期はたぶん去った」と発言。世界経済を空前の危機に陥れた08年9月のリーマン・ショックを読み切れていなかった状況が浮かび上がった。

金融危機への懸念は、3月に米銀大手JPモルガン・チェースが、米証券大手ベアー・スターンズを救済合併したことで下火になったかに見えた。福井俊彦総裁から白川総裁にバトンタッチした4月上旬の会合では、中村清次審議委員が「市場の混乱は小康状態」と述べた。同下旬の会合でも「行き過ぎた悲観論が修正されつつある」(須田美矢子審議委員)などと、金融危機よりも原油高によるインフレを懸念する声が上がった。

6月会合では、白川総裁が金融機関のさらなる大型破綻は避けられるとの見方を示した。これに対し、「簡単に最悪期を脱したと言わない方がいい」(水野温氏審議委員)、「サドン・デス(突然の破綻)という意味での最大のリスクが本当になくなったか。誰にも分からない」(野田忠男審議委員)と、警鐘を鳴らす意見もあった。

先行きに不安を感じながらも、目前の9月15日に迫っていた米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻を予測するのは難しく、金融危機に備えた具体的な議論には至らなかった。

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