地滑り危機も避難進まず=麓住民「兆候ない」-「晴れでも危険」行政呼び掛け・広島

社会

西日本豪雨の影響で、広島市安佐北区の神ノ倉山(561メートル)で大規模な地滑りの危険性が高まっており、付近住民に避難指示が出ている。酷暑の中、行政側は避難所にエアコンを完備するなどして避難を呼び掛けているが、思うように進まず頭を悩ませている。

国土交通省の実地調査によると、尾根付近で幅約40メートル、長さ約100メートルにわたり土砂の崩壊が確認された。上方にはさらに大きな亀裂も見つかり、少ない雨でも一挙に土石流となって崩落する危険性がある。

「晴れているし、大きな兆候もない」「体が不自由で避難所はつらい」。危機的状況にもかかわらず、住民の理解はなかなか深まらない。避難したのは指示が出ている89世帯、計約200人の半数に満たないのが現状だ。

何とか避難所に来てもらおうと、行政側は小学校体育館にエアコン10台を設置したほか、段ボールの簡易ベッドや間仕切りなどで快適さをアピール。担当者が一軒一軒を回り、粘り強く呼び掛けている。

行政と住民の間に立つ地元自治会長の佐々木恒さん(74)は「亀裂付近にセンサーを設置し、少しでも地滑りが進めば関係者にメールが届く態勢を準備中だが、それにも限界がある。雨が降っていなくても危ないという専門家の指摘を重く受け止めてほしい」と訴える。

小学6年の大野結愛さん(12)は「まさかここで宿題をすることになるなんて」と困惑しつつ、普段通う学校で夏休みを迎えた。母親の咲子さんは「さまざまな支援のおかげでとても過ごしやすくなった。先が見えず不安だが避難を続けます」と話した。

神ノ倉山で大規模な地滑りの恐れがあるとして、エアコンを完備した体育館への避難を呼び掛ける地元自治会長の佐々木恒さん(左)ら=17日、広島市安佐北区

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