月の「神酒の海」へ=JAXAが日本初の着陸機、21年度打ち上げ-起源解明に貢献

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日開かれた文部科学省の宇宙開発利用部会で、日本初の月面着陸を目指す小型実証機「SLIM(スリム)」を、2021年度にX線天文衛星「ひとみ」の後継機と一緒にH2Aロケットで打ち上げると報告した。地球から見える月の表側のうち、赤道近くの「神酒(みき)の海」にある小さなクレーターを着陸目標地点とする。

JAXA宇宙科学研究所の坂井真一郎准教授によると、このクレーターの表面には月のマントルに由来するかんらん石が露出している可能性が高い。月の起源は、約45億年前の地球に大きな天体が衝突したことによるとの説が有力だが、かんらん石の成分を詳細に分析し、地球のマントル物質と比較することで検証できるという。

SLIMの打ち上げは当初、イプシロンロケットを予定したが、大型のH2Aに変更したことで、機体重量(燃料除く)を約130キロから約200キロに引き上げた。エンジンを増強するほか、自力で移動して周辺を撮影するミニ探査ロボットの搭載も検討している。

急な斜面でも着陸できるよう、「2段階着陸方式」を採用。5本脚とし、最初に1本の脚で接地した後、機体を倒すような形で残り4本を接地させ、姿勢を安定させる。

イプシロンで打ち上げる場合、ロケット最上段を追加する必要があるため、総開発費は約180億円を計上していたが、148億円に減る見込み。相乗りのひとみ後継機の「X線分光撮像衛星(XRISM=クリズム)」(総開発費267億円)は20年度打ち上げ予定だったが、米航空宇宙局(NASA)が担当する装置の引き渡し時期がずれ込み、21年度となった。

2021年度の打ち上げを目指す日本初の月着陸機「SLIM」の予想図(JAXA提供)

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