次世代加速器、国内建設へ本腰=連絡協近く設立、中国の動き警戒-自民

政治・外交

自民党は、宇宙誕生の謎の解明を目指すための次世代大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内建設計画の実現に本腰を入れる。8月下旬にも党内5組織が参加する「ILC連絡協議会」(仮称)を発足させ、国家プロジェクトとして取り組むよう政府に働き掛けていく方針だ。

ILCは国際的な研究者組織が提案している計画。建設に前向きな日本の研究者らが政府に働き掛けを続けてきた。米国や欧州などの研究者らは、日本が主導的な役割を果たすことに期待を寄せている。

連絡協に入る党の5組織は、地方創生実行統合本部、国土強靱(きょうじん)化推進本部、科学技術・イノベーション戦略調査会、東日本大震災復興加速化本部、知的財産戦略調査会。党として総力を挙げる態勢を整え、実現への機運を高めたい考えだ。連絡協には有識者らも加わる。

建設候補地は、岩手、宮城両県にまたがる北上山地とされている。連絡協づくりを主導する超党派の「リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟」会長の河村建夫元官房長官は「何千人という科学者の村をつくることになるから、震災復興にもつながる」と意義を強調する。

最大の障害は約7400~8000億円にも上る予算の確保だ。建設は欧州などと協力して進めるため、日本の負担はこのうち5割程度とされるが、財務省内では「額が大き過ぎ、他の分野にしわ寄せがいく」と慎重論が強い。

一方、中国でも次世代加速器の建設計画が持ち上がっている。欧州は研究計画の改定時期を迎えるため、日本政府が年内に建設の意思表示をしなければ、関心が中国に移る恐れもあり、議連関係者らは警戒している。

連絡協は、課題の予算について、通常の学術・科学技術・大学予算の枠外で確保するよう政府に働き掛けていく考えだ。河村氏は「文部科学省だけで抱え込むのは難しい」と話し、安倍晋三首相の政治決断を期待している。

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