「嫡出否認」二審も合憲=民法規定に「一応の合理性」-女性側の控訴棄却・大阪高裁

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生まれた子との父子関係を否定する「嫡出否認」を夫だけに認める民法の規定は男女平等を定めた憲法に違反するとして、神戸市の60代女性と長女、孫2人が国に計220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。江口とし子裁判長は規定について「一応の合理性がある」として合憲と判断、請求を認めなかった一審神戸地裁を支持し、女性側の控訴を棄却した。女性側は上告する方針。

江口裁判長は「嫡出否認権を行使できないで、大きな不利益を受けることもありうる。妻や子に否認権を認めても不合理とならない」と言及。しかし、「認めるかどうか、どのような制度とするかは、国会の立法裁量に委ねられるべき問題」と指摘した。

その上で「妻や子に否認権を認めることで無戸籍となるのを防げるのは一部にすぎない。戸籍、婚姻、嫡出推定など家族をめぐる制度全体の中で解決を図るべきだ」と述べた。

一審判決などによると、女性は約30年前、元夫の暴力を理由に別居し、離婚前に別の男性との間に長女を出産した。しかし、婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する民法の規定のため、男性を父とする出生届は受理されなかった。

女性は元夫との接触を恐れ、嫡出否認の訴えを起こしてもらうことを断念。長女とその子である女性の孫2人は2016年まで無戸籍だった。裁判では「国会が規定を改正していれば、妻や子が訴えを起こすことで、無戸籍にならなかった」と主張していた。

一審判決は17年11月、夫だけに嫡出否認を認める規定は「子の利益の確保を強固なものとしており、合理性を肯定できる。憲法に違反しない」と判断した。

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