日ロ首脳、共同経済活動で行程表=10月に調査団-プーチン氏、領土「解決模索」

政治・外交

【ウラジオストク時事】安倍晋三首相は10日夜、訪問先のロシア・ウラジオストクでプーチン大統領と約2時間半会談した。北方四島での共同経済活動をめぐり優先的に取り組む5項目について、具体的な内容や進め方を示した「ロードマップ(行程表)」を承認。詰めの作業を行うため、10月初めに官民調査団を現地に派遣することも決めた。

5項目は▽海産物養殖▽温室野菜栽培▽観光▽風力発電▽ごみ減量対策。行程表では、ウニの養殖やイチゴの栽培などの早期事業化へ作業を加速することを打ち出した。政府には、共同経済活動を北方領土問題を含む平和条約交渉進展の呼び水とする狙いがある。官民調査団は当初8月を予定していたが、悪天候で延期となっていた。

プーチン氏は共同記者発表で、平和条約交渉について「両国民が受け入れられる解決法を模索する用意がある」と強調。首相も「私たちの手で必ずやこの問題に終止符を打つ」と応じた。

極東開発など8項目の経済協力プランについても議論。二重課税を防止する日ロ租税条約の発効など、新たに計10の合意文書を取り交わした。

一方、ロシアによる北方領土の軍事拠点化の動きを踏まえ、首相は安全保障分野での信頼醸成を進めるため、10月に自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長をロシアに派遣することを伝えた。

両首脳は、北朝鮮の非核化実現へ緊密に連携していくことを申し合わせた。首相は共同発表で、日本人拉致問題の解決に向け、「プーチン氏の理解と協力を得た」と述べた。

両首脳はまた、2019年6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせてプーチン氏が訪日し、首脳会談を行うことで合意した。

日ロ首脳会談は、5月にモスクワで行って以来で通算22回目。プーチン氏の都合で予定より約2時間半遅れて始まった。少人数会合、通訳のみを交えた1対1、夕食会形式の拡大会合を行った。

共同記者発表を終え、握手する安倍晋三首相(左)とロシアのプーチン大統領=10日、ロシア・ウラジオストク

共同記者発表に臨む安倍晋三首相=10日、ロシア・ウラジオストク

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