改憲、険しい道のり=首相本腰も日程窮屈-自民総裁選

政治・外交

自民党総裁選で3選を果たした安倍晋三首相は、任期中の憲法改正実現に本腰を入れる構えだ。秋の臨時国会で9条に自衛隊を明記する自民党の条文案を提示し、国会での改憲論議を軌道に乗せたい考えだが、来年は参院選や天皇陛下退位など大型行事が目白押し。国会発議と国民投票を行うには日程が窮屈な上に、他党との協議も難航が予想される。国民的な議論が深まっているわけでもなく、道のりは険しい。

「総裁選の最大の争点だった。結果が出た以上、大きな方針に向かって一致結束して進んでいかなければならない」。首相は20日の新総裁記者会見でこう語り、改めて改憲案提出を目指す考えを示した。

首相は昨年5月、改正憲法の2020年施行を目指すと表明し、党憲法改正推進本部に改憲案のとりまとめを指示。同本部は今年3月、自衛隊の根拠規定追加を柱とする4項目の改憲案について一任を取り付けた。だが、森友・加計学園問題など一連の政権不祥事に野党が抵抗を強め、通常国会では論議は進まなかった。

首相は総裁選で、改憲への機運を高めるため、自衛隊をめぐる違憲論争に「終止符を打とう」などと再三訴えた。改憲を3期目の主要課題に掲げ、求心力を維持する思惑もある。首相と連携する麻生派が8月、来年夏の参院選までの国民投票実施を提言したのもその一環とみられる。

ただ、首相は総裁選で石破茂元幹事長の善戦を許した。石破氏は記者団に、改憲について「スケジュール感ありきでなく丁寧に説明すべきだ」と注文を付けており、条文案提出をにらんだ駆け引きが展開されそうだ。

来年は4月に統一地方選と天皇退位、夏に参院選、10月には消費税増税が予定されている。国民投票には発議から60~180日以内に行うとの規定があるが、3月までは19年度予算案の審議が優先され、改憲論議に求められる「静かな環境」を確保しにくい。参院選の結果、自民、公明両党に日本維新の会などを加えた改憲勢力が発議に必要な3分の2を割り込めば、状況は一層厳しくなる。

首相としては野党第1党の協力も得て進めたい考えだが、立憲民主党の枝野幸男代表は「安倍政権での改憲は阻止する」と公言している。公明党の山口那津男代表も19日の記者会見で「各種世論調査では優先順位は高くない」と慎重姿勢を示した。

自民党総裁選で3選を果たした安倍晋三首相(中央)=20日午後、東京・永田町の同党本部

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 政党 安倍晋三 自民党 石破茂 自民党総裁選2018