さよなら築地、最終市=活発な取引で幕-関係者から感謝や惜しむ声

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東京・築地市場(中央区)で6日、83年の歴史に幕を下ろす最終取引が行われた。鮮魚類が潤沢に入荷して活発な取引となる中、市場関係者からは長年親しんだ愛着ある職場に対し、感謝や別れを惜しむ声が上がった。

年明けの初競りなど、築地を象徴した生マグロ売り場では、最後の競りを前に卸会社を代表して築地魚市場の吉田猛社長が「ここまで築地を育ててくれた全国の出荷者、買い出し人の方々に感謝している。築いた功績は豊洲に引き継がなければならない」とあいさつ。

仲卸業界の幹部も「築地ブランドが構築できたのは、卸や仲卸などすべての人のおかげ」と、築地が歩んだ功績をたたえた。

移転に反対していた仲卸業者からは「世界に知れ渡る偉大な市場をなくしてしまうのは本当にもったいない」「本音は築地で商売を続けたかった」など、不満や悔しさをにじませる声が聞かれた。買い出し人からも「銀座の横の一等地で、交通の便が良かった。なくなるのは残念」(都内の料理店主)と惜しむ声が上がった。

この日は、サンマなどの大衆魚や日持ちする養殖魚などが通常より多く入荷。11日の豊洲市場(江東区)開場まで市場が休みとなるため、スーパーなどの買い付けが活発化した。高級すし店向けの生マグロも、鮮度の良かった青森県大間産に通常の倍近い1キロ当たり2万7000円の高値が付いた。

仲卸店などでは引っ越しに備えて少しでも荷物を減らそうと、冷凍品や干物類の在庫処分販売なども目立った。ただ、一部の仲卸は引っ越し期間中も市場外の施設を間借りして、小売り向けに冷凍魚などの販売を続けるという。

午後からは、仲卸を中心とする約900の業者による豊洲への大移動が始まる。卸会社幹部の「豊洲に向けてこれからが本番」との声もあって、いつにも増して場内は慌ただしい空気に包まれていた。

最終市を迎えた築地市場の生マグロの売り場で、競りの前に手締めを行う市場関係者ら=6日午前、東京都中央区

築地市場の冷凍マグロ卸売場で行われた最後の競り=6日午前、東京都中央区

最終市を迎えた築地市場=6日午前、東京都中央区

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