日本人に遠いノーベル経済学賞=長期不況研究の清滝氏も逃す

経済・ビジネス

今年のノーベル経済学賞は、米エール大のウィリアム・ノードハウス教授とニューヨーク大のポール・ローマー教授に決まった。ノーベル賞のうち、日本人が取っていないのは経済学賞だけ。受賞に不可欠な独創的な研究ができる人材が限られる中、長期不況の研究者として名高い清滝信宏・米プリンストン大教授の受賞はならなかった。

内閣府経済社会総合研究所の堀雅博客員主任研究官は「従来の知見を応用し、経済成長や環境など経済学で新分野を創出した人に授与されやすい」と指摘。日本人から受賞者が出なかった背景について、「開拓的研究が少ないことがある」と話す。

受賞には、英語での論文発表ができ、世界の学者から引用されるという実績も必要。このため、経済学の本流とされる米国で成果を挙げた学者に集中する傾向がある。

清滝氏は日本人として受賞が期待されてきた数少ない経済学者だ。バブル崩壊後に陥った日本経済の長期不況メカニズムの研究で知られ、2008年のリーマン・ショックも分析した。「米国経済学への貢献度は高い」(神戸大の西山慎一教授)とされる。今年はリーマン危機10年の節目に当たり、清滝氏と親しい日本人経済学者は「期待していた」という。

過去には14年に死去した宇沢弘文東大名誉教授が有力候補と目された。宇沢氏は米国に渡り、シカゴ大教授などを歴任。経済成長の研究などで名声を高めた。受賞が決まったローマー氏の研究に関して「源泉には宇沢氏の業績がある」とみる専門家は多いが、日本人初受賞の壁は厚い。

清滝信宏 米プリンストン大教授(本人提供)

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース その他経済 米国