性被害者の連帯に「拍手」=MeToo1年で伊藤詩織さん

社会

【ロンドン時事】米映画界でのセクハラをきっかけに、性被害の告発運動「#MeToo」(「私も」の意)が本格化してから今月で1年。被害者の連帯を呼び掛ける運動は国境を超えて拡大、権力者や著名人が次々と責任を追及されるなど、各界で大きな影響を及ぼしている。レイプ被害を実名で訴え出て、日本での運動の先駆けといわれる在英ジャーナリスト伊藤詩織さんが時事通信の書面インタビューに応じ、1年を振り返った。

-運動の急速な広まりをどう受け止めているか。

MeTooを通じて世界中に連帯が生まれたことに大きな拍手を送りたい。これまで小さな声としてしか扱われなかった人たちが一斉に声を上げ、大きな力になったことは、MeTooが始まる約半年前に被害を訴え、孤独の中で声をからさないよう必死に立っていた私を救ってくれた。

-日本では運動が浸透しにくい傾向がある。

日本では二次被害を恐れて被害を申し出ることができない人が多い。性暴力の被害を警察に届け出る割合が約4%にとどまっているのが現状だ。

運動が始まった1年前は(被害を告発した)自著の出版時期と重なり、「やっぱりみんな叫びたいんだ。今なんだ」と思っていた。しかし、直後にある女性から「同じ女として恥ずかしい」という批判を受け、心が折れそうになった。欧米では女性たちが連帯しているが、そうした動きは日本にはすぐに届かなかった。

-運動はどんな影響を与えたか。今後の抱負は。

今まで光が当たりにくかった性暴力について議論できるようになったことは大きな変化だ。どんなハラスメント、暴力に対しても決して傍観者にならない、加担しないという意味を込め、「私」でなく「私たち」を意味するWeTooという運動をスタートさせた。被害者の声をどう受け取り、社会に反映させていくかが課題。私自身も伝えるという仕事を通し、全力で声を届けていきたい。

レイプ被害を実名で告発したジャーナリストの伊藤詩織さん(本人提供)

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