「ノネコ」殺処分、どう減らす?=山で野生化、固有種に危害-鹿児島・奄美大島

社会

世界自然遺産登録を目指す鹿児島県の奄美大島。アマミノクロウサギなど固有種が生息するが、飼われていたネコが山に入って野生化し、希少種を捕食する問題も発生している。環境省は生態系の保全を目指し、こうした「ノネコ」の捕獲を開始。ただ、飼い主が見つからなければ、安楽死させることになっており、動物愛護団体などからは「1匹でも殺処分は減らしたい」との声が上がる。

環境省奄美自然保護官事務所などによると、2008年ごろから森林内に設置されたカメラで、ノネコの繁殖や希少種の捕食が確認された。これを受け、同省や奄美大島5市町村などは、推定600~1200匹生息するノネコの管理計画を策定。捕獲した後、地元自治体が保護して飼い主を探すが、見つからなければ殺処分する内容だ。

同省は計画に基づき、今年7月から捕獲を開始。かごわなを100基設置し、これまでに16匹を捕獲した。いずれも個人や団体に引き渡されたが、奄美市環境対策課の担当者は「今後捕獲数が増え、飼い主が見つからなければ、計画に基づき、安楽死させざるを得ない」と話す。

これに対し、動物愛護団体「NPO法人ゴールゼロ」(東京都)代表理事で獣医師の斉藤朋子さん(44)は「世の中は殺処分を減らしていこうという流れ。計画は、殺処分はやむを得ないという考えだ」と反発。16匹のうち1匹を引き取った。

また、公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)は8月、野良猫の不妊手術などを無料で行う「あまみのさくらねこ病院」を奄美市に開設。佐上邦久理事長(58)は「野良猫はノネコの発生源となる。不妊手術をすることで、ノネコの繁殖を抑え、結果として殺処分をせずに済む」と強調している。

森林内でアマミノクロウサギをくわえるノネコ(環境省提供)

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