人手不足解消を期待=外国人受け入れ、体制整備課題-産業界

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外国人労働者の受け入れ拡大につながる出入国管理法改正案が2日、閣議決定された。深刻な人手不足に苦しむ業界では「大歓迎」(大手外食チェーン)と好意的。一方、「地域住民が治安悪化を気にしている」(農業関係者)といった声もあり、受け入れ体制の整備が急務となりそうだ。

慢性的な人手不足に悩む外食業界は「優秀な外国人を今以上に雇えるようになる」(大手居酒屋)と手放しで喜ぶ。増加する訪日外国人客を受け入れる宿泊業界も「日本人と外国人が一緒に働くことで、語学や習慣を互いに学べる」(ホテル大手)とサービス向上につながる相乗効果を期待する。

このほか、製造業からは「工場の作業員など(人手不足の)問題を抱えている。より広く人材が活用できるようになるのはありがたい」(片山正則いすゞ自動車社長)、「すでに多くのインドネシア人が大きな役割を果たしており、いてくれないと困る」(造船関係者)などの声が相次いだ。対象業界は今後、積極的に採用を進める意向だ。

担い手の減少と高齢化に直面する農業でも、外国人の受け入れ拡大は朗報だが、慎重な見方も多い。全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長は「トラブル多発や治安悪化に対する懸念の声もある。懸念を払拭(ふっしょく)し、外国人材が安心して暮らせる環境整備も必要だ」とコメントした。

現在、日本では外国人技能実習制度を利用し外国人を受け入れているが、雇用側の賃金不払いや実習生の失踪など、問題も絶えない。

キッコーマンの堀切功章社長は「国籍や男女の別なく、一人ひとりの能力を生かせるような労働環境をつくるのがわれわれの使命だ」と話し、産業界として取り組む必要があるとの認識を示した。

金属加工工場で勤務するベトナム人技能実習生=9月3日、東京都大田区

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