G20、「反保護主義」明記せず=米が反対、WTO改革は一致-首脳宣言を採択

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【ブエノスアイレス時事】アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで2日間の日程で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は1日午後(日本時間2日未明)、首脳宣言を採択して閉幕した。高関税で相互に対抗する米国と中国の貿易戦争が世界経済のリスクとなる中、昨年の宣言で明記した「保護主義と闘う」との文言は米の反対で盛り込めなかった。一方、日米欧が主張していた世界貿易機関(WTO)改革では一致した。

2008年秋の世界金融危機に対処する目的でG20首脳会議が発足して以来、合意文書で保護主義に対抗する姿勢を示せなかったのは初めてで、国際協調体制の亀裂が鮮明となった。G20は日米欧などの先進国・地域と新興国で構成。サミットには、安倍晋三首相やトランプ米大統領、習近平中国国家主席らが出席した。

宣言は「現在の貿易問題に留意する」と述べるにとどめ、G20財務相・中央銀行総裁会議が指摘してきた「貿易をめぐる緊張」を世界経済のリスクとして明示しなかった。WTOについては、通商ルールの監視機能が不十分なことを踏まえ、「機能改善に向けた必要な改革を支持する」と明記。19年6月の大阪G20サミットで改革の進展を点検することを決めた。WTO改革が首脳宣言に盛り込まれるのは初めてという。

反保護主義の文言削除は、米中対立が原因だ。中国などに対し次々と貿易制裁を繰り出すトランプ政権は保護主義のレッテルを貼られることを嫌がっている。議長を務めたマクリ・アルゼンチン大統領は閉幕後の記者会見で「(反保護主義の文言は)米国が受け入れなかった」と説明した。

また首脳宣言は、経済圏構想「一帯一路」を進める中国からの借り入れ増大で返済難に陥る開発途上国が出ていることを念頭に、「債務の透明性と持続性の向上に取り組む」と明記。メンバー国・地域に過剰債務への配慮を要請した。地球温暖化問題では「気候変動に引き続き取り組む」としつつ、米国は国際枠組み「パリ協定」離脱と経済優先の姿勢を改めて強調したと言及した。

日本は今回のサミット閉幕後、G20議長国を引き継いだ。20年はサウジアラビアが務める。

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