お堂でアイドル歌って踊る=ファン熱狂「寺身近に」-京都

社会

京都の寺院などを拠点に、歌って踊る女性アイドルグループが注目を集めている。「お寺をもっと身近に感じて」。寺離れを防ぐ「奇策」が参拝者の裾野拡大に一役買っている。

3人組の寺アイドル「てら*ぱるむす」は、浄土宗龍岸寺=京都市下京区=の池口龍法住職(38)の呼び掛けで2016年11月に結成された。「人々の中で仏教の比重が低くなっている」。秋の法要の参加者減少や高齢化が続く中、参拝のきっかけづくりとして、アイドル好き女子大生のアイデアを実現させた。

「皆で合掌しよう」との思いを込め、英語で「たくさんの手のひら」を意味するグループ名を付けた。メンバーは「菩薩の化身」という設定で、それぞれ文殊(もんじゅ)たま、観咲千世乃(みさき・ちせの)、勢崎至恩(せざき・しおん)を名乗る。

11月の龍岸寺でのライブ。お堂を埋め尽くした約100人の衆生(ファン)の前にメンバーが木魚をたたきながら登場すると、大歓声が湧き起こった。お経の一部を歌詞に使った曲では、衆生が仏教の言葉で合いの手を叫ぶ場面も。会場は終始熱気に包まれた。

ライブに来た大阪府守口市の波部宏さん(47)は、グループがきっかけで浄土宗の経典を購入。「ライブ前の法要にも経典を持って参加した。毎回楽しんでいる」と話す。千葉県浦安市の西園美樹さん(29)は、ファン仲間と無名の寺を訪れ、菩薩を見て回る。「寺ってこんなに距離が近かったんだ」とほほ笑む。

宗教施設でのアイドル活動は「不謹慎」との批判もあるが、文殊さんは「寺や仏教は取っ付きにくいものではないと知ってほしい」と話す。

池口住職が毎月、龍岸寺で開く仏教の勉強会にはいま、「てら*ぱるむす」のファンが多く訪れる。かつて70代が多かった法要参加者の平均年齢も40代へと大幅に若返った。同住職は「仏教に気軽に関わってよいと思うきっかけを提供することは大切」と話している。

龍岸寺のお堂でライブをする「てら*ぱるむす」=11月10日、京都市下京区

法要で「てら*ぱるむす」の文殊たまさん(右)らと読経する池口龍法住職(中央)=2017年11月12日、京都市下京区の龍岸寺(同寺提供)

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