「前倒ししただけ」「非常手段」=ゴーン容疑者再逮捕で検察OB

社会

一時は保釈間近とみられていた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が一転、特別背任容疑で再逮捕されたことに、検察OBからは「捜査を前倒ししただけ」「非常手段だ」などとさまざまな見方が出ている。

元東京地検特捜部長の宗像紀夫弁護士は「年末年始は休んで年明けにやるつもりだったが、保釈されて日本からいなくなると捜査が難しくなるので着手したのだろう。司法取引で証拠は十分集まっている。別動隊がそれなりの捜査は進めていて、時間が早まったということだ」と説明する。

これに対し、特捜部に在籍経験がある高井康行弁護士は「勾留延長が却下されて前倒しせざるを得なくなったが、2回目の時に特別背任で逮捕することもできたのではないか」と苦言を呈す。

「特別背任は捜査に時間がかかるので、他に嫌疑があればそれを済ませてから取り掛かるのが常道だ。しかし、今回は司法取引をしているのだから、本来なら虚偽記載も特別背任も内偵段階で詰めた上でまとめて逮捕、起訴できれば一番よかった」と話した。

元検事の郷原信郎弁護士は「経過を見る限り、特別背任が立証できる状況だったとは思えない。やれるならもうやっていたはずだ」と指摘。「ゴーン容疑者が保釈されたら、いろいろと捜査を批判される。非常手段的にもともと無理と思っていた事件に手を付けたのではないか。海外には身柄拘束を長引かせていると映るだろう」と話した。

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