東電旧経営陣に禁錮5年求刑=指定弁護士、原発事故「何一つ対策せず」-東京地裁

社会

東京電力福島第1原発事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の論告求刑公判が26日、東京地裁(永渕健一裁判長)であり、検察官役の指定弁護士は「津波襲来の可能性を知りながら、何一つ対策をしなかった」と述べ、元会長勝俣恒久被告(78)ら3人に禁錮5年を求刑した。

論告で指定弁護士は、東電が2008年3月、政府機関の地震予測「長期評価」に基づき、原発への到達が予想される「最大15.7メートル」の津波水位を試算したと指摘。原子力・立地本部副本部長だった元副社長武藤栄被告(68)が同7月、試算に基づく対策の「先送り」を現場に指示したとし、これにより具体的に進んでいた対策は頓挫したと主張した。

翌8月には本部長だった元副社長武黒一郎被告(72)にも巨大津波の可能性と先送りが報告され、09年春には試算結果を聞いたとした。勝俣元会長も同年2月ごろには試算を認識していたと言及。「長期評価の信頼性は高い。15.7メートルの試算結果を知った者は、事故を予見できた。それ以降、自ら情報を収集する義務があった」とした。

さらに、施設の東側全面を囲う防潮堤の設置を具体的に検討していたと述べ、「津波はいつ来るか分からない。工事完了までの間、原発を停止していれば事故は防げた」と東電側の対応を批判した。

勝俣恒久 東京電力元会長

武藤栄 東京電力元副社長

武黒一郎 東京電力元副社長

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