庶民の味がピンチ=明石ダコ、歴史的不漁-ふるさと納税で対策・兵庫

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たこ焼きに似た兵庫県の名物「明石焼」(あかし玉子焼)に欠かせないタコが歴史的な不漁となり、庶民の味が苦境に直面している。値上げに踏み切るか店主が頭を悩ませる中、地元明石市がふるさと納税制度を活用した対策に乗り出した。

明石海峡の海流にもまれて育つマダコは「明石ダコ」と呼ばれ、身が締まり、かむほどにうま味が出るのが特長だ。溶き卵に明石ダコを入れて焼き、だしにつけて食べる明石焼は10個で500円が相場。2016年にB級グルメの町おこしイベント「B-1グランプリ」で1位にもなった。

不漁の原因は、潮流の変化による海水温の低下で、県水産技術センターによると、昨冬は例年より2~3度低かった。環境変化に弱い子ダコが成長せず、「漁獲量は例年より3割以上少ない」(明石市農水産課)という。地元では漁が行われる夏場に取ったタコを冷凍して使うが、人気上昇もあり、各店は在庫に不安を抱えている。

「手軽に食べてもらいたいと、なんとか値上げせずにやっている」。明石焼の店を営み、市民グループ「あかし玉子焼ひろめ隊」の隊長を務める古志利宗さん(43)は漏らす。在庫が最も少なくなるのは来年5月の大型連休ごろで、「観光客も増える時期。多くの人に食べてほしいのに」と頭を抱える。

こうした中、地元漁協は他県から買った子持ちの親ダコ約440キロを放流し、禁漁期間も設けた。明石市は産卵場所などになるたこつぼの費用にふるさと納税制度を活用。12月に受け付けを始めると半月で約200件の寄付があり、来年3月までの目標の3割を達成した。

古志さんは「明石の食文化を多くの人に知ってもらうためにも、いろいろな工夫をしなくては」と話している。

明石焼をPRする古志利宗さん。「厳しい状況ではあるが、ぜひ気軽に食べてもらいたい」=15日、兵庫県明石市

明石ダコを入れ、たっぷりの卵で焼き上げる明石焼=15日、兵庫県明石市

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