30億円融資を計画=ゴーン容疑者、サウジ知人に-特別背任事件・東京地検

社会

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が日産資金を不正支出したなどとされる特別背任事件で、同容疑者が、送金先のサウジアラビア人の知人実業家側に日産資金約30億円を融資しようと計画していたことが9日、関係者への取材で分かった。計画は社内の承認を得られず、頓挫したという。

東京地検特捜部は、ゴーン容疑者が巨額融資を計画した動機にも着目し、特別背任容疑での勾留期限の11日に向けて詰めの捜査を進めている。

関係者によると、知人実業家はサウジアラビアの大富豪ハリド・ジュファリ氏。

ゴーン容疑者は約18億5000万円の評価損を抱えたデリバティブ(金融派生商品)取引の契約を2008年10月に日産に移転。09年2月、自身の資産管理会社に再移転する際、ジュファリ氏の協力で担保不足を解消した。

協力はジュファリ氏が約30億円の信用保証を与える形で行われ、保証と同額の融資は、契約移転が行われた頃に計画されていたという。

ゴーン容疑者はその後の09年6月~12年3月、日産資金計1470万ドル(現在のレートで約16億円)をジュファリ氏側に送金した疑いが持たれている。

特捜部は、評価損を抱えた私的な取引契約の日産への移転と、ジュファリ氏側への送金について、日産に損害を与える行為だと判断。会社法違反(特別背任)罪での起訴に向け捜査を進めている。

ゴーン容疑者は送金を「中東でのトラブル解決の対価や、ロビー活動費だ」と主張。8日の勾留理由開示でも「関係部署の承認を得て相応の対価を支払った」などと無罪を訴えていた。

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