ICTで被害軽減を=AI活用、アプリで「避難!」-阪神大震災24年

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阪神大震災から17日で24年。当時、被災状況の把握や救助が遅れ、被害は拡大した。「初動がもっと早ければ助けられた命もあったはずだ」。反省を生かし、災害時の被害軽減に情報通信技術(ICT)の活用を模索する動きがある。兵庫県は住民に避難すべきタイミングを通知する防災アプリの開発を進め、神戸市は人工知能(AI)を利用して市民から被害情報を集める全国初の実証実験を行った。

兵庫県が開発を進めるのは、災害時に最寄りの避難場所やタイミングを知らせる機能を持たせたスマートフォン向けアプリ。5月ごろの実用化を目指している。

避難勧告などの緊急情報と連動して、利用者にタイミングを通知。アプリを開くと、現在地付近の避難場所を示した地図を閲覧できる仕組みとする。県は「今後、避難所の空き状況などの情報も地図上で見られるように更新していけたら」としている。

神戸市は通話アプリ大手「LINE」(東京都)などと協力し、市民からの被害情報の収集にAIの利用を模索する。「行政がカバーしきれない情報がSNS上で流れていることも多い。情報の空白地帯をできるだけなくしたい」と、LINE上で被害状況を自動で問い掛ける実験を昨年末に行った。

狙いは、漏れのない避難誘導や災害対応につなげること。市民からの回答で得た情報や写真を地図上に取り込み、被害状況を視覚的に把握する。同社の担当者は「さまざまな地域、災害で使える仕組みだ」と語る。

ただ、誤情報との区別は難しいといい、実用には課題も残る。市は「災害時に本当に使ってもらえるようにするための工夫も必要」と指摘。同社は「実用化の時期は未定だが、最終的には支援物資の情報など、市民も活用できるような共助の仕組みにしていけたら」としている。

神戸市で行われた実証実験に参加した市民役の職員。撮影した被害状況をLINEで送信した=2018年12月21日、神戸市中央区神戸市で行われた実証実験に参加した市民役の職員。撮影した被害状況をLINEで送信した=2018年12月21日、神戸市中央区

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