繁殖海域、最北は八丈島?=ザトウクジラ発見相次ぐ-沖縄から移動か

社会

豪快なジャンプやブロー(潮吹き)を見せ、ホエールウオッチングで人気のザトウクジラ。伊豆諸島の八丈島(東京都八丈町)の周辺で発見数が増加しており、同島周辺が世界最北の繁殖海域の可能性があることが、東京海洋大などの調査で分かった。従来の鹿児島県・奄美大島周辺から約500キロ北上することになる。

日本近海のザトウクジラは、冬から春にかけて沖縄や奄美大島などの暖かい海で出産し、夏は餌が豊富なロシア・カムチャツカ半島沖で過ごす。

東京海洋大の中村玄助教(鯨類学)によると、2015年11月、八丈島の住民が島周辺でザトウクジラの群れを初めて発見した。同大と八丈町が共同調査した結果、発見数は16年冬~17年春に60頭、17年冬~昨年春は151頭に増加。今シーズンは既に、昨年11月から延べ100頭以上が確認できたという。

昨季に確認された151頭のうち、6頭は尾びれの模様から前季と同一と判明し、2年続けて八丈島周辺に来ていたことが分かった。雌に対する求愛の鳴き声や、雄が雌を追い掛ける繁殖の前兆行動も複数確認された。ただ、交尾や親子連れなどの目撃はまだなく、「繁殖地としての決定打には欠ける」(中村助教)のが現状という。

一方、沖縄本島周辺のザトウクジラも1990年以降、年に約10%ずつ増えていると推定されるという。中村助教は「沖縄を中心に個体数が増加しており、新たな繁殖地を探して八丈島に姿を現し始めた可能性もある。結論を出すにはさらに調査が必要だ」と話している。

八丈島周辺の海域で頭を見せたザトウクジラ=2018年12月(東京海洋大・八丈町提供)八丈島周辺の海域で頭を見せたザトウクジラ=2018年12月(東京海洋大・八丈町提供)

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