政府、参院選へ法案絞り込み=国会提出、戦後最少水準に

政治・外交

政府は28日召集の通常国会に新規提出する法案を絞り込む方針で、戦後最少の56本程度となる見通しだ。夏の参院選を控え、野党が反発して国会が荒れそうな対決型法案を避け、成立を急がない法案も秋以降に先送りする。提出法案は確実な成立を期し、選挙へのアピール材料とする考えだ。

国会会期中に衆院が解散された場合を除くと、戦後の通常国会で新規提出法案が60本を下回ったのはわずか2例。1982年12月召集の第98国会の58本と2016年の第190国会の56本。いずれも閉会後に参院選が控え、83年は今年と同様に統一地方選と重なる「亥(い)年」だった。

150日の会期の国会前半は通常、予算案審議が中心となり、各法案の審議は4月以降にスタートする。ただ、今年の4月は統一地方選が予定され、国会は事実上の「政治休戦」となる見込み。さらに、皇位継承に伴う4月末から5月上旬の10連休が続き、各法案の審議日程は窮屈だ。

連休が明ければ参院選が近づき、改選議員らは臨戦態勢に入る。与野党の対立は強まり、参院での法案処理が滞ることも予想される。与党としてはできるだけ混乱を避けたいのが本音だ。

例えば、政府は大企業に社外取締役の設置を義務付ける会社法改正案の提出を検討したが、今回は見送る方向だ。自民党関係者は、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の事件を挙げ、「社外取締役がいても防げなかった。実効性の問題を深掘りされれば審議が長引く」と指摘する。

一方、政府は、消費税率引き上げによる景気の腰折れ防止策を盛り込んだ所得税法改正案、幼児教育・高等教育の無償化関連法案などの提出を予定。成立させれば「成果」に数えられると踏む。

これに対し立憲民主党など主要野党は、提出された法案をチェックし、問題点や不備があると判断すれば政府を厳しくただす方針だ。

28日からの通常国会では、厚生労働省による毎月勤労統計の不正調査問題なども議論のテーマになる見込み。野党には「閣僚の資質」を問う声もなおくすぶっており、国会の展開によっては与党の思惑通りに進まない可能性もある。

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