沿岸クロマグロ漁、低調=規制強化で取り控え

政治・外交

今期(2018年7月~19年3月)の日本沿岸のクロマグロ漁が低調だ。乱獲防止のための規制強化により取り控える漁業者が多かったとみられ、足元の漁獲量は定められた上限量の4割程度にとどまる。資源回復にはつながるが、資源管理の難しさが浮き彫りになっている。

漁獲上限は過去の漁獲実績などに基づき設定している。水産庁によると1月21日時点の漁獲量は、30キロ未満の小型魚が上限1528.7トンに対し651.0トン、30キロ以上の大型魚が1125.2トンに対し480.4トンにとどまる。

今期は2カ月余り残るが、水産庁は「一部の海域を除いて漁のシーズンではなく、急増はなさそうだ」と見込む。都道府県別では、千葉を除きすべて枠内に収まっている。青森県の沿岸漁業者は「高値で取引される年末に向け漁を自粛していたが、年末は不漁だった」と話す。

高級すしネタなどとして人気があるクロマグロでは、「取った者勝ち」を防ぐため、都道府県枠の設定が16年に小型魚で始まった。しかし、取り過ぎてもやめなかったり、必要な承認を得ずに漁をしたりする漁業者が相次いだ。前期(17年7月~18年6月)には北海道の水揚げ量が上限の約7倍となる事態が起きた。

このため水産庁は今期から違反者への罰則を設けるなど、規制を強化。大型魚でも新たに都道府県枠を設けた。

ただ、漁業者が取り過ぎへの慎重姿勢を強めたことを受け、資源回復が進んでいるのに、漁獲枠を大幅に下回るのは、皮肉な結果と言える。先の沿岸漁業者は「枠の順守に不慣れな漁業者が多い。超過しそうな場合に備え、他県などと枠を円滑に融通できる仕組みが必要だ」と指摘する。

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