賃金統計不正で虚偽申請=予算過大計上の疑い-局長級を更迭・厚労省

政治・外交 経済・ビジネス

厚生労働省の賃金構造基本統計(賃金統計)の不正調査で、同省が調査員は訪問し調査しているという虚偽の申請書類を総務省に提出していたことが1日、分かった。賃金統計では調査員の人件費が過大に計上されていた疑いも浮上。厚労省は省内で検証を進めているが、毎月勤労統計と同様にずさんな対応が次々に判明している。

賃金統計は調査員が企業を訪問して調査票を配布する計画になっているが、実際はほとんどを郵送で配布していた。しかし、厚労省が2017年、調査票を変更するため総務省に提出した申請書類には、現行の手法について「調査員調査」と記載していた。虚偽記載は統計法に違反する可能性がある。

厚労省の統計調査部門は18年1月、省内の有識者検討会で試験的に郵送で調査する計画を示したが、この時も現在は調査員調査と説明。同省は試験調査を経て12月末に、郵送調査への変更を総務省に打診した。今年1月には統計委員会に諮問する予定だった。

また、厚労省は賃金統計に関する調査員の人件費として18年度は約9000万円を計上したが、これは訪問調査が前提だった。同省は「郵送でも問い合わせや確認などで調査員は必要だ」と釈明するが、訪問調査より必要な人員は少ないとみられ、過大計上の疑いが残る。

厚労省は1日、統計担当の大西康之政策統括官(局長級)を同日付で官房付に異動させる人事を発表した。事実上の更迭となる。国の基幹56統計に関する一斉点検の際、賃金統計の不正を総務省に報告するのが遅れた責任を取らせた形だ。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 労働・雇用行政 統計