局長級が不正隠蔽の可能性=室長は「意図否定できず」-賃金統計不正・厚労省

政治・外交

厚生労働省は1日、賃金構造基本統計(賃金統計)の不正について報告を受けた大西康之前政策統括官(局長級)が、郵送による調査方法への変更を総務省に申請するよう部下に指示したと発表した。賃金統計は調査員が企業を訪問して調査票を配布する計画になっているが、実際はほとんどを郵送で配布していた。大西氏は実態を認識しており、不正を隠蔽(いんぺい)しようとした可能性もある。大西氏は同日付で事実上更迭された。

厚労省は1日、国の基幹56統計に関する1月の一斉点検で、賃金統計の不正を総務省に報告するのが遅れた問題に関する調査結果を公表。当時は調査方法の変更を申請する予定だったが、賃金福祉統計室長が「(不正を)報告することによって変更申請ができなくなることを危惧し、報告をしないと判断した」と認定した。

記者会見した厚労省幹部は、室長について「一定の意図を持って報告しなかったことは明確だ。隠蔽の意図は否定できない」と語った。大西氏が隠蔽したかどうかに関しては「この段階でそうだとは断定できない」と述べるにとどめた。

調査結果によると、大西氏は昨年12月、室長から郵送で配布していたと報告を受け、別の変更申請の際に、郵送調査への変更を盛り込むよう指示した。

室長はこれを受けて総務省に相談したが、既にほとんどが郵送調査になっていることは伏せた。先月24日の一斉点検でも報告しなかった。大西氏は翌25日に問題を再認識し、「報告すべきだと気が付いた」という。

賃金構造基本統計の不正の報告が遅れた理由について、記者会見で説明する厚生労働省の担当者=1日夜、東京・霞が関賃金構造基本統計の不正の報告が遅れた理由について、記者会見で説明する厚生労働省の担当者=1日夜、東京・霞が関

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