話題さらった1億円金塊=観光に貢献、改元で「使い切り」-兵庫・淡路市

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バブル時代の1989年、政府が「ふるさと創生事業」で交付した1億円を元手に、金塊を展示して話題になった兵庫県の旧津名町(現淡路市)。その1億円は平成の幕引きとともに市民に還元される。観光資源として当時、多くの観光客を引き寄せた金塊。淡路市の担当者は「予想以上の広告塔になった」と振り返る。

淡路市によると、金塊の展示が始まったのは89年3月。旧津名町は観光PRを目的に、1億円を担保に当時の相場で約63キロの金塊をレンタルした。その後、相場に応じ重量は変化した。

直接触れられる物珍しさが売りで、当初は年間30万人以上が展示施設を訪れる盛況ぶり。2010年までに約377万人が金塊を見に訪れた。02年のサッカー・ワールドカップ日韓大会では、イングランド代表のキャンプ地になり、スター選手だったデービッド・ベッカムさんが金塊に触れる一幕も。津名町の名前を全国区に押し上げた。

しかし徐々に来場者は減少。さらに金の相場上昇で小さな金塊に交換するか、約6000万円の追加担保を求められる事態に直面した。合併後の淡路市は潮時とみて10年に金塊を返還し、1億円は市の財政調整基金に積み立てていた。

新元号に変わるタイミングを受け、淡路市は「平成の交付金であり、改元を控える今、整理することにした」(まちづくり政策課)と、使い切る方針を決定。18年7月に市民向けアンケートで意見を募集した。

結果は、学校施設の整備充実や図書館整備を求める声が多数を占めた。市は「市民全体の利便性向上につながる」として、移転新設を計画する市立図書館の建設費などに充てる方向で検討している。

平成の30年間を経て、使い道が決まる1億円の交付金。市担当者は「ようやく市民に還元されるが、1億円の金塊が果たした役割は後世に残したい」と話し、地元の観光に貢献した金塊の輝かしい功績をPRする考えだ。

ふるさと創生事業の1億円でレンタルした金塊=2010年5月15日、兵庫県淡路市(同市提供)ふるさと創生事業の1億円でレンタルした金塊=2010年5月15日、兵庫県淡路市(同市提供)

兵庫県の旧津名町が1億円でレンタルした金塊=1989年3月、同町兵庫県の旧津名町が1億円でレンタルした金塊=1989年3月、同町

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