松橋事件の無罪確定へ=検察側、有罪主張せず-判決3月28日・熊本地裁

社会

熊本県宇城市(旧松橋町)で1985年、男性が刺殺された「松橋事件」で、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(85)の再審初公判が8日、熊本地裁(溝国禎久裁判長)であり、弁護側は改めて無罪を訴えた。検察側は有罪を主張せず、即日結審した。殺人罪については3月28日の判決で無罪が言い渡され、確定する見通し。

検察側は約200点の証拠を請求したが、溝国裁判長は確定判決で有罪の根拠となった宮田さんの自白調書を含む約150点を不採用とした。論告で検察側は、殺人罪について「新たな主張、立証は行わない」とし、地裁に判断を委ねた。

弁護側は最終弁論で「宮田さんに無実だと伝えたい。無罪判決を切に希望する」と訴えた。

事件は85年1月に発生し、宮田さんは取り調べで殺害を「自白」。一審公判中に否認に転じたが懲役13年が言い渡され、90年に最高裁で確定した。

弁護側による証拠開示請求で97年、「凶器の小刀に巻き付け、犯行後に燃やした」とされる布片を熊本地検が保管していたことが判明。これらを新証拠として、宮田さんの成年後見人が2012年に再審を請求した。

熊本地裁は16年、小刀と遺体の傷口が一致しないとした鑑定結果も踏まえ、自白の信用性を否定して再審開始を決定。福岡高裁も支持し、18年10月に最高裁が検察側の特別抗告を棄却し、再審開始が確定した。

宮田さんは99年に仮出所したが、15年から介護施設で生活している。脳梗塞を繰り返すなどして意思疎通が難しく、8日は出廷しなかった。

一方、宮田さんは自宅で拳銃などを所持していたとして、銃刀法違反罪などで有罪が確定していた。検察側は8日、同罪などで改めて懲役2年を求刑し、弁護側は執行猶予を求めた。

再審初公判が開かれる熊本地裁に向かう「松橋事件」の弁護団=8日午後、熊本市再審初公判が開かれる熊本地裁に向かう「松橋事件」の弁護団=8日午後、熊本市

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 裁判 九州