目で指で「読める」点字=若手デザイナー発案、庁舎に採用

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目でも指でも「読める」新たな点字の使用が始まっている。縦3点、横2点の組み合わせで表現する従来の点字に片仮名やアルファベットなどを重ね合わせ、点字が読めない人も意味を理解できる。発案したデザイナーは「見えない人と見える人の世界を同じツールでつなげたい」と話している。

1月に開庁した東京都渋谷区役所新庁舎の案内板や階段の手すりには、平面から盛り上がった点字の上に文字が印字された新たな点字が採用されている。印字された文字は同じ情報を伝えており、例えば「トイレ」なら、その3音を意味する点字の上に片仮名で「トイレ」と書かれている。

発案したのは中央区のデザイナー高橋鴻介さん(25)。「点字を目で読む方法はないか」との思いで約1年半前から制作を始め、視覚障害のある人の意見を聞きながら改良を重ねてきた。

ツイッター上で公開したところ、「点字を勉強するのに役立つ」といった反響が国内外から寄せられた。

渋谷区は点字に興味を持ってもらい、共生社会を目指す目的で採用。他に都内の大手広告会社に導入されたほか、秋にオープン予定の新たな渋谷公会堂にも使われる見込みだ。

高橋さんは、2020年の東京五輪・パラリンピックのチケットなどに新点字が使われることを期待。「世界の人が知ってくれて、広めていけたら」と話している。

新点字を使って視覚障害者とそうでない人が一緒に楽しめる絵本やボードゲームの制作も検討しているという。

新たな点字を発案したデザイナーの高橋鴻介さん=8日、東京都渋谷区新たな点字を発案したデザイナーの高橋鴻介さん=8日、東京都渋谷区

東京都渋谷区新庁舎のトイレ案内板に使われている新たな点字。従来の点字の上に片仮名が重ね合わされている=8日、同区東京都渋谷区新庁舎のトイレ案内板に使われている新たな点字。従来の点字の上に片仮名が重ね合わされている=8日、同区

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