EVを非常用電源に=「走る電池」、災害時に活用

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災害時の非常用電源として、電気自動車(EV)や家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)の活用が拡大している。自動車メーカーなどと自治体の間で緊急時にEVを無償貸与する協定を結ぶ動きが加速。災害が多発する日本で、「走る蓄電池」とも言われるEVやPHVへの期待は今後一段と高まりそうだ。

日産自動車は昨年9月に東京都練馬区と、11月には神奈川県横須賀市と、それぞれEVやPHVを無償貸与する協定を締結。また、3月にEVに蓄電した電力を使って生活する車中泊の体験会を計画している。

三菱自動車も2012年に京都府と無償貸与の協定を結んでおり、他の自治体との協力にも前向きだ。同社は16年の熊本地震や昨年の北海道地震の際、被災地にEVやPHVを提供した。

自治体側でも、東京都練馬区が区民らの所有するEVを緊急時に提供してもらう登録制度を設けるなど、体制整備が進んでいる。

日産幹部は「車にためた電気は災害時に家庭でも役立つ」と強調。「フル充電で一般家庭の2~4日分の電力をまかなうことができる」と、EVの活用を訴える。

11年の東日本大震災では、ガソリン不足で燃料補給のために長蛇の列ができたが、EVは非常用電源として医療救護所や避難拠点で活躍した。東京都でも大規模停電で生活に支障が出たが、練馬区の担当者は「EVを使えば最低限の電力を供給できる」と期待を寄せる。

ただし、価格が割高なこともあり、EVとPHVの国内販売は低調。中国を中心に世界で電動化の動きが広がる中、日本自動車工業会によると、乗用車の国内販売に占める割合は17年に1%程度と、普及促進も課題となる。

日産自動車の電気自動車「リーフ」から電力を家庭の室内照明などに供給する様子=1月、横浜市内日産自動車の電気自動車「リーフ」から電力を家庭の室内照明などに供給する様子=1月、横浜市内

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