「パンプス強制は苦痛」=足腰に負担、仕事に支障-「#KuToo」じわり拡大

社会

仕事でパンプスやハイヒールの着用を強制され、足腰の痛みに苦しむのは理不尽だとして、女性たちが声を上げている。性被害を告発する「#MeToo」(私も被害者)にならい「#KuToo」と命名された。「靴」と「苦痛」を掛けた言葉で、インターネット上では国に対応を求める署名集めも活発化している。

「出血や肩凝りの原因となる」「ハイヒールで外回りして、腰痛や外反母趾(ぼし)になった」。ネット上には悲痛な声が並ぶ。パンプス着用を強制されているという視覚障害のある20代女性は、街中でつまずいた際、転倒防止のバランスが取りにくいと訴えている。

パンプスをめぐっては、東京都心などで働く女性の約7割が、週1日以上履くとの調査結果がある。接客業などで着用を求められるほか、事務職でも「マナー」として履くことが暗黙のルールになっているケースが多いとされる。海外では、押し付けられた性の象徴として問題視される事態が続発。そもそも災害大国の日本では、避難時に走りにくいパンプスなどへの批判は根強かった。

「立ち仕事なのに歩きにくいし、足の小指の爪から血が出る」。グラビア女優・ライターの石川優実さん(32)=東京都在住、岐阜県出身=は嘆く。葬儀進行の手伝いなどのアルバイトをする際、先端が細いパンプスの着用が求められる。

そんな中、1月下旬、男性社員の靴を見て思った。「この革靴なら負担が減るのに」。ツイッターに投稿すると、すぐにリツイート(拡散)され共感が広がった。数日後には「#KuToo」というハッシュタグ(検索用の目印)が作られた。

「男女差による靴の着用強制は性差別。厚生労働省は企業に対し、強制を禁止する通達を出してほしい」。石川さんは今月11日、米国発のネット署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で賛同を募り始めた。署名は次々に集まり、20日には1万人を超えた。

石川さんは「みんなパンプスやハイヒールが平気だと思っていたが、実は我慢していただけと知って驚いた。女性だけ自由に靴を選べないのは完全な差別だという認識を、社会全体が持ってほしい」と話している。

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