進む仮設の再利用=西日本豪雨の被災地にも-東日本大震災8年

社会 暮らし 政治・外交

東日本大震災後に役目を終えた応急仮設住宅は、西日本豪雨の被災地に移築したり、災害公営住宅の建設に使ったりと、さまざまな形で再利用が進められている。資材の有効活用や膨大な廃棄費用の削減につながるという。

業者からのリースで整備した仮設住宅は返却する必要があるが、自治体が買い取った場合は再利用が可能だ。福島、宮城、岩手の3県などは要望がある自治体への資材の無償譲渡を始め、福島県や岩手県遠野市は、災害公営住宅にも転用した。福島県の担当者は「全て壊そうとすると(廃棄費は)100億円くらいになるのでは」と話す。

障害者の就労を支援する社会福祉法人「臥牛三敬会」(宮城県角田市)は、同県山元町にあった仮設住宅の集会所1戸を譲り受けた。今年10月の稼働開始を目指すエゴマ油の加工場やパン工場で働く職員の集会所などとして使う予定だ。同町で運営していたピザ店が津波で流された経緯もあり、湯村利憲理事長(71)は「(再利用で)震災を忘れないようにしたい」と話す。

昨年7月の西日本豪雨では、被災した岡山県総社市から福島県に、使用済みの木造仮設を譲ってほしいと要望があり、住宅48戸や集会所などに再利用された。総社市の担当者は「ありがたかった。木の風合いが素晴らしく、入居者に好評だ」と感謝する。

福島県では、これまでに約200戸分の資材を自治体や企業などに無償譲渡したほか、17年度からは定住促進に向け、都市部などからの移住体験施設の整備にも活用。同年度は県内3町村に計29戸分を提供した。

福島県から岡山県総社市に移築された仮設住宅=1日、同市福島県から岡山県総社市に移築された仮設住宅=1日、同市

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 災害 暮らし 防災政策・災害対策