仮設入居、ピークの3%=災害公営住宅ほぼ完成-東日本大震災8年

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東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した岩手、宮城、福島3県でプレハブの応急仮設住宅に住む避難者は、今年1月時点で3418人となり、ピークだった11万6565人(2012年3月)の約3%まで減った。ただ、撤去が進む中で転居先のめどが立っていない人もおり、生活拠点の確保をどう支援するかが課題だ。

プレハブ仮設の供与期間は原則2年だが、災害公営住宅の建設の遅れや、原発事故による避難指示の長期化で期限延長が続いてきた。1月現在の入居者は岩手2156人、宮城453人、福島809人。

一方、災害公営住宅は3県の計画戸数(1月末現在)の計約3万戸がほぼ全て完成し、岩手、宮城両県は原則として今月末までで仮設の提供を終了。福島県も、富岡や浪江など4町村の帰還困難区域の住民への提供を来年3月で打ち切る方針で、20年度も提供を続けるのは第1原発が立地する双葉、大熊両町のみとなる。

福島県が昨年末、提供を終了する約2200世帯を対象に転居先の意向を調査したところ、約50世帯が「めどが立っていない」と回答した。3県によると、高齢で引っ越しの体力がなかったり、条件に合う物件が見つからなかったりして転居が進まないケースが見られる。

原発事故で原則立ち入り禁止が続く帰還困難区域の住民の中には、避難先でいったん仮設から転居した上で、将来再び地元に移住する「二度手間」が生じることに負担を感じる人もいるという。

入居者が減った仮設団地では、老朽化による生活への支障や高齢者らの孤立といった問題が深刻化しており、県が委託したNPOなどが物件探しを手伝うなどの支援活動を進めている。

福島大の鈴木典夫教授(地域福祉)は「病気で住み替える力が衰えたり、人間関係がうまく取れずに孤立したりしている人が、転出の決断ができず最後に残っていく」と指摘。仮設に生活支援相談員を常駐させ、役場や保健所など支援機関とのパイプ役にすることを提案している。

入居者がいなくなり、解体が進む仮設住宅=1日、福島市入居者がいなくなり、解体が進む仮設住宅=1日、福島市

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