女子プロレス、被災地沸かす=解散危機乗り越え、復興発信-仙台・東日本大震災8年

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仙台市に拠点を構える女子プロレス団体「センダイガールズプロレスリング」(仙女)が、東日本大震災による経営難を乗り越えて観客を増やし、被災地を元気づけている。代表の里村明衣子選手(39)は「プロレスを通じ、復興した宮城を発信したい」と語る。

震災から8年を前にした9日、仙台市内で仙女の試合が行われ、後半に登場した里村さんは外部の選手に完勝。試合後、「毎年この時期は震災を思い出す。初心に帰り、真っすぐ対戦相手に向き合える」と語った。毎年3月11日には東京でも試合をし、義援金を募っているという。

「これからという時の震災だった」。東京でスター選手として活躍していた里村さんは、所属団体の解散を機に、それまで縁の無かった仙台に移住。前代表とともに2006年に仙女を設立した。知名度が順調に上がっていたさなかの11年3月、地震で事務所と道場が半壊し、興行が打てなくなった。

それでも1カ月後には、被災した各地でチャリティー試合を開催。小学校やコンビニの駐車場にリングを設置し、被災者を招待した。「見に来てくれたお年寄りに『生きてて良かった』と言われたのが忘れられない」と里村さんは振り返る。避難所での炊き出しなどにも協力した。

だが、5000円前後の入場料を取れる正式な興行ができる状況ではない。経営面で先が見通せず、7人いた選手やスタッフは次々と辞め、解散寸前に。しかし、「地元に応援してもらった。ここで終われない。どうしても継続したい」との思いから11年8月、代表を引き継いだ。

経営は全くの未経験。自信を失いかけていた12年ごろ、チャリティー試合を見たという宮城県気仙沼市の女の子から手紙が届いた。「必ずプロレスラーになります。仙女に入りたいです」とあり、勇気づけられた。約束通り、佐藤亜海選手(20)は高校卒業後の17年に仙女入りした。

ようやく経営が安定してきたのはここ数年。里村さんを含め選手は7人となり、今ではチケットが入手困難になるほどだ。「立ち上がってここまできた私たちを見て、復興を感じてもらえれば」と里村さんは笑顔で語った。

白熱した試合を展開する「センダイガールズプロレスリング」の里村明衣子代表(左)=9日午後、仙台市の宮城野区文化センター白熱した試合を展開する「センダイガールズプロレスリング」の里村明衣子代表(左)=9日午後、仙台市の宮城野区文化センター

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