南西防衛で陸自駐屯地次々新設=奄美大島・宮古島に、石垣も着工-中国脅威念頭に

社会

鹿児島県・奄美大島と沖縄県・宮古島に今月26日、陸上自衛隊駐屯地が新設される。中国の軍事的脅威を念頭に政府が進める南西諸島防衛強化の一環で、石垣島でも駐屯地の造成工事が始まった。防衛省によると、石垣島を含め駐屯地整備費として計上された予算は計約1700億円。

同省は沖縄本島を除き陸自の空白地域となっていた島しょ部への配備計画を進め、2016年に日本最西端の与那国島に駐屯地を新設。有事には本土から増援部隊や離島奪還を主な任務にする水陸機動団(長崎県)が投入される。

奄美大島には、奄美駐屯地(奄美市)と瀬戸内分屯地(瀬戸内町)が開設され計約560人が駐留。奄美駐屯地には警備隊と、航空機や巡航ミサイルを迎撃する地対空ミサイルが、瀬戸内分屯地には警備隊と、艦船を撃退する地対艦ミサイル、弾薬庫などが配備される。

宮古島には宮古島駐屯地(宮古島市)が開設され、当初は警備隊約380人を配置。地対空・地対艦ミサイルは19年度以降に配備される。部隊は最終的に計700~800人規模となる。

奄美大島から沖縄本島、先島諸島へと続く島々は、中国が他国を寄せ付けない軍事戦略上の「第1列島線」とほぼ重なる。昨年1月には中国軍とみられる潜水艦が宮古島の接続水域を潜航。18年度上半期に領空に接近した外国機に対する空自機の緊急発進回数の6割は中国機が対象だった。

尖閣諸島を抱える石垣島(石垣市)には、島の中央部の平得大俣地域にミサイル部隊などを配備する計画。隊員は500~600人の予定だ。

石垣市では駐屯地建設による水源など環境への影響を懸念する声が出ている。市民グループが集めた陸自配備計画の賛否を問う住民投票を求める署名数は有権者の約4割に上ったが、同市議会は今年2月、住民投票条例案を否決。防衛省は今月、用地の造成工事に着手した。

陸上自衛隊の12式地対艦ミサイル(陸自提供)陸上自衛隊の12式地対艦ミサイル(陸自提供)

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