笑う顔には当選来たる?=選挙写真6000枚分析-「候補者多いと得票増」拓大教授

政治・外交 社会

統一地方選は21日、大阪府など11知事選が告示され幕を開ける。今年は夏の参院選が重なる12年に1度の「選挙イヤー」。そんな中、拓殖大(東京都文京区)の浅野正彦教授(政治学)は、選挙ポスターの笑顔と得票の関係を調べている。専用の機器で6000人分を分析した結果、一定の条件下では、笑顔が得票に貢献することが分かったという。

浅野教授は、海外の学術誌にあった「笑顔の候補者ほど得票する」との報告に注目。国内の選挙ポスターについて、目・口の開き具合や、目の周りのしわの状態などを基に「笑顔度」を100点満点で測定する自動顔認証システムを使って分析した。

対象としたのは1980~2017年に行われた衆院選のうちの6回分。80、83、90の各年は中選挙区制(選挙区定数3~5人程度)、00、14、17の各年は小選挙区制(同1人)だった。6回分計約6000枚の顔写真を、各地の選挙ポスターを撮影したり、国立国会図書館から選挙公報を取り寄せたりして収集した。

その結果、小選挙区制では中選挙区制と比べ、笑顔度が得票に与える影響が弱まったことが判明。浅野教授は「中選挙区では同じ政党から複数人が立候補するため、政策ではなく笑顔などの人物イメージに基づき投票するが、小選挙区では表情よりも政党・政策に基づくようになったのでは」とみている。

一方、17年衆院選に立候補した新人464人を調べると、一つの選挙区で立候補者が多いほど笑顔度が得票につながる傾向が見られた。候補者2~3人の選挙区では無関係だったが、4人以上の場合、統計的な処理を施すと、同じ候補者が笑顔度0点から100点になった場合は得票率が数パーセント伸びる傾向が示された。

浅野教授は「候補者が多くなり政党が入り乱れると、個人の特徴・見た目が投票を左右する可能性が高い」と指摘。一方で、「今はまだ仮説を検証する段階。選挙全体で笑顔が得票率にどのような好影響を与えるか、さらにデータを収集・分析する必要がある」と話している。

選挙ポスターなどの「笑顔度」を測定する専用機器について説明する拓殖大の浅野正彦教授=1月17日、東京都文京区選挙ポスターなどの「笑顔度」を測定する専用機器について説明する拓殖大の浅野正彦教授=1月17日、東京都文京区

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