元看護助手の再審開始確定=患者殺人、「自然死」の可能性-懲役12年服役・最高裁

社会

滋賀県東近江市(旧湖東町)の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者=当時(72)=に対する殺人罪で懲役12年が確定、服役した元看護助手、西山美香さん(39)の再審開始が確定した。最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)が18日付の決定で、男性が「自然死」した可能性に言及して裁判のやり直しを認めた大阪高裁決定を支持、検察側の特別抗告を棄却した。大津地裁で開かれる再審公判では、無罪が言い渡される公算が大きい。

審理した裁判官3人一致の意見。大阪高検検事長として特別抗告を申し立てた三浦守裁判官は加わっていない。

再審開始を認めた大阪高裁の再審請求即時抗告審は17年12月、弁護側が新証拠として提出した医師の鑑定書を根拠に「男性は致死的不整脈で自然死した疑いがある」と指摘した。

その上で、捜査段階で西山さんが「人工呼吸器を外した」とした自白について、呼吸器の状況などの説明で「めまぐるしく変遷しており、警察官らの誘導に迎合した可能性がある」と信用性を否定。大津地裁の請求棄却決定を取り消した。

西山さんは04年7月に逮捕され、公判で否認に転じたが、一審大津地裁は05年11月、解剖医の鑑定書などから、「男性は人工呼吸器からの酸素供給が何らかの理由で途絶し、急性の心停止に至った」と認定。自白は信用できるとして懲役12年を言い渡し、07年5月、最高裁が上告を棄却、確定した。

殺人事件での裁判のやり直しは、1985年の「松橋事件」で懲役13年が確定、服役した宮田浩喜さん(85)の再審開始が昨年10月に最高裁で確定して以来。宮田さんは今月28日に熊本地裁で行われる再審公判で、無罪を言い渡される見通し。

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