働き方改革、4月から残業規制=5日の有休義務付け

政治・外交

昨年の通常国会で成立した働き方改革関連法は、4月1日から大部分が施行される。大企業を対象に、残業時間に初めて実質的な上限を設け、違反した場合は罰則を適用。全企業に対し、年5日の有休を従業員に取得させることも義務付け、長時間労働の是正を迫る。ただ、人手不足が深刻化する中、対応に苦慮する企業も多そうだ。

残業時間の上限は月100時間未満、年720時間など。中小企業では1年遅れの2020年4月からの適用だが、実質的に青天井だったこれまでとは、経営環境が大きく変わることになる。

日本商工会議所などの調査によると、残業規制の課題として、半数以上の企業が「業務量に対して人員が不足している」と回答。厚生労働省が発表した18年平均の全国の有効求人倍率は1.61倍と、求人数が仕事を探す人の数を大幅に上回って推移する中、人材確保は頭の痛い問題だ。

有休義務化の対象は年10日以上の有休を付与された従業員。厚労省によると17年の有休取得率は51.1%で、半分しか消化されていない計算だ。

民間の調査では有休取得率が100%の国も珍しくない。政府は20年の目標として70%を掲げるが、人手不足で有休を取得できないとの声は多く、達成は容易ではない。

残業代が支払われないが、自由な時間に働ける「高度プロフェッショナル制度」も、4月から適用が可能になる。国会審議では「過労死法案」などと集中砲火を浴びた上、働いた時間に関係なく一定の賃金を支払う裁量労働制が既に存在するため「特に必要ない」(金融大手)とする企業もあり、現時点では積極的な動きは見えにくい。

一方、不合理な待遇差を禁止する「同一労働同一賃金」は、来年4月以降の適用に向け、今年の春闘で労使の合意が進む。食品スーパー大手のライフコーポレーションは今年5月から、契約社員や嘱託社員にも子供手当を新設するなど、手当や休暇制度を正社員にそろえる企業が多い。

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