街も「世界標準」へ=あふれる外国語表示、灰皿は撤去-東京五輪500日切る

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東京からTOKYOへ。世界中から観戦客が訪れる五輪・パラリンピックの開幕が近づき、街の風景が変わり始めた。訪日客に不便を感じさせないようにと、外国語の案内やキャッシュレス決済が急ピッチで拡大。受動喫煙防止という国際世論の風にたばこの煙は隅へと追いやられ、東京は「世界標準」の都市に変貌を遂げつつある。

◇AIが4カ国語で案内

街を彩るデジタルサイネージ(電子看板)。ポスターと違って自動で画面が切り替わり、動画も流せるため「人目を引きやすい」(西武鉄道)と駅構内や商業施設で広がりを見せる。画面に触れれば外国語に替わるタイプも登場。三越銀座店は化粧品売り場に4カ国語で表示するフロア案内を2台設置した。

JR東日本は五輪前の本格導入を目指し、人工知能(AI)を使ったデジタルサイネージの実験中。東京駅では画面上のAI「さくらさん」が観光客の質問に笑顔で答える。語学堪能なさくらさんは乗り換えや飲食店などの情報を日本語のほか英語、中国語、韓国語で音声案内してくれる。

訪日客が母国で使うスマートフォン決済の導入も相次ぐ。百貨店やコンビニエンスストアなどで先行していたが、ここに来て公共交通機関や観光名所が追随。東京メトロは2月21日から主要駅で、1~3日間乗り放題の訪日客向け乗車券を「アリペイ」で買える仕組みを取り入れた。

国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」を掲げており、国は健康増進法で、東京都は独自の条例で五輪開幕までに屋内での喫煙を制限する。大手ファミリーレストランのサイゼリヤが9月までに全店で禁煙にするなど、灰皿は徐々に姿を消し始めている。

コンビニではセブン-イレブン・ジャパンが昨年、店頭に灰皿を置いていた都内の加盟店約1000店に撤去を要請した。撤去済みや予告の張り紙を掲示した店、撤去に前向きな店を合わせると約7割に上る。

一方、これから禁煙化を進める外食店は、売り上げへの影響を懸念する。居酒屋チェーンの幹部は「ファミリー層が増えて売り上げがアップするのか、喫煙客が減るのか分からない」と、全面禁煙の時期を決めあぐねている。

また、大手コンビニは今夏までにほぼ全店で成人誌の販売をとりやめる。五輪開催はこれまでの日本基準を見つめ直す契機になっている。

人工知能(AI)を使ったデジタルサイネージの「さくらさん」を利用する外国人観光客=2月28日午後、JR東京駅人工知能(AI)を使ったデジタルサイネージの「さくらさん」を利用する外国人観光客=2月28日午後、JR東京駅

西武鉄道池袋駅構内に並ぶデジタルサイネージ=1日、東京都豊島区西武鉄道池袋駅構内に並ぶデジタルサイネージ=1日、東京都豊島区

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