34年前殺人「松橋事件」、宮田さんに再審無罪=「犯人の証拠ない」-熊本地裁

社会

熊本県宇城市(旧松橋町)で1985年、男性が刺殺された「松橋事件」で、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(85)の再審判決が28日、熊本地裁であり、溝国禎久裁判長は「被告が犯人であると示す証拠はない」と述べ、殺人罪について無罪を言い渡した。弁護側は熊本地検に対し、早期確定のため上訴権を放棄するよう申し入れた。

溝国裁判長は「仮に被告の自白を採用し、信用性を検討したとしても、再審請求審の判断と異なる結論に至るとは想定し得ない」と述べた。

2月に開かれた再審初公判で、検察側は200点の証拠を請求したが、溝国裁判長は確定判決で有罪の根拠となった宮田さんの自白調書を含む約150点を採用せず、即日結審。判決では、宮田さんの年齢や体調などを考慮し、「可能な限り速やかに判決を言い渡すことが最も適当」と不採用の理由を述べた。

一方、宮田さんは自宅で拳銃などを所持していたとして、銃刀法違反罪などで有罪が確定していた。溝国裁判長は改めて懲役1年(求刑懲役2年)を言い渡した。

宮田さんは99年に仮出所し、2015年から熊本市内の介護施設で生活している。脳梗塞を繰り返すなどして意思疎通が難しく、再審初公判、判決ともに出廷しなかった。

宮田浩喜さんの再審無罪判決を報告する弁護団=28日午前、熊本市中央区の熊本地裁前宮田浩喜さんの再審無罪判決を報告する弁護団=28日午前、熊本市中央区の熊本地裁前

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