自動車業界、IT人材獲得に熱=東京に開発拠点新設

経済・ビジネス

自動車業界がIT人材の獲得競争にしのぎを削っている。自動車業界は「100年に1度」と言われる変革期を迎え、人工知能(AI)など目まぐるしい技術革新に対応できる即戦力の確保が急務だ。従来は地方に研究開発拠点を構えていたメーカーも、IT技術者が集中する東京近郊に相次いで拠点を新設している。

独立行政法人・情報処理推進機構の「IT人材白書2018」によると、IT人材の過不足感を企業から聴取したところ「大幅に不足」と「やや不足」の回答が合計9割超に上った。就職情報サイト大手マイナビITエージェントの吉田陽子IT領域営業部長は、「ここ数年でIT技術者を求める企業は多種多様になった」と指摘。ただ、「地方に引っ越ししてまで転職するケースは多くない」といい、職場の立地が仕事選びの大きな要素だという。

こうした流れを受け、トヨタ自動車は18年3月、自動運転技術を開発する新会社を東京・日本橋に設立。国内外のIT人材の獲得を狙う。ロボット事業に注力するヤマハ発動機は同6月、横浜市内に先進技術開発の拠点を開設した。

自動車部品大手のデンソーも同4月、愛知県などにあった複数の研究開発拠点を東京・品川に移転、集結させた。隈部肇常務役員は「IT技術者の獲得競争は厳しい」と説明。東京移転で「即戦力の応募はかなり増えた」と効果を語った。

経済産業省は、人材の不足感はますます強まると見込む。日産自動車は18年11月、IT技術者の育成を目指して横浜市立大学と提携。今後は技術者の争奪だけでなく、育成も課題となりそうだ。

ヤマハ発動機の先進技術開発拠点が入居するビル(同社提供)ヤマハ発動機の先進技術開発拠点が入居するビル(同社提供)

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