御名御璽は電子化対象外=政府の文書管理、閣議書も

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政府が進める公文書の電子管理について、天皇陛下の署名・押印に当たる「御名御璽(ぎょめいぎょじ)」や閣議書は対象外となる見通しだ。紙媒体として保存することが資料・記録としての価値を維持する上で不可欠と判断した。天皇、首相、閣僚の直筆の署名が記された公文書は、引き続き紙で保存されることになる。

御名御璽は法令や条約などを公布する際に必要。4月1日に発表される新元号に関する政令も当日、天皇陛下が直接、署名と押印を行う。その前提となる閣議書には閣僚らが花押と呼ばれる独特のサインを行うことが慣例となっている。

政府は25日に「行政文書の電子的管理についての基本的な方針」を決定した。今後作成する行政文書は「電子媒体を正本・原本として体系的に管理する」と規定。森友学園をめぐる決裁文書改ざんなど一連の不祥事の再発防止、文書管理の効率化を進める狙いがあり、政府は業務を見直して電子保存の対象を広げる方針だ。

ただ、価値を維持するために紙媒体を正本・原本とすることが不可欠な場合は例外として扱う。内閣府の担当者は「御名御璽や花押のあるものは、そのまま原本とすべきだ」との認識を示した。政府が新元号発表の際に使う「墨書」も紙のまま公文書として保存される見込みだ。

このほか、「法令で紙媒体での文書作成が義務付けられている場合もある」(内閣府幹部)とされ、電子管理の対象外となる。保存のためだけに電子化すれば、かえって手間がかかる場合も、当面は紙での管理を継続する。

昭和21(1946)年11月3日に公布された日本国憲法の公布原本。右端が昭和天皇の御名御璽=東京都千代田区の国立公文書館昭和21(1946)年11月3日に公布された日本国憲法の公布原本。右端が昭和天皇の御名御璽=東京都千代田区の国立公文書館

「平成」へ元号を改める政令の書類に署名される天皇陛下=1989年1月7日、皇居・宮殿(宮内庁提供)「平成」へ元号を改める政令の書類に署名される天皇陛下=1989年1月7日、皇居・宮殿(宮内庁提供)

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