はやぶさ2、小惑星への衝突実験成功=分離カメラで撮影、確認-クレーター生成

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、小惑星「りゅうぐう」(直径約900メートル)で人工クレーターを作る実験を行い、探査機「はやぶさ2」から分離した衝突装置(インパクター)が金属の塊をりゅうぐうに撃ち込んだと発表した。はやぶさ2から届いた画像で、衝突予定時刻にりゅうぐう表面から噴出物が出る様子も確認した。今後りゅうぐうへの接近観測を行い、クレーターができたかどうか確かめる。

JAXAの津田雄一プロジェクトマネジャーは記者会見で、「私たちは宇宙探査の新しい手段を確立した。これ以上望むもののない成功だ」と声を弾ませた。

小惑星に人工クレーターを作り、詳しい観測や試料採取を目指す実験は世界初。小惑星や太陽系の歴史を知る科学的成果にとどまらず、小惑星などの地球衝突を避ける「プラネタリーディフェンス」にも役立つと期待される。

はやぶさ2は4日午後、高度20キロの定位置(ホームポジション)から降下を開始。5日午前11時前に高度約500メートルで衝突装置を分離した。装置内の爆薬はタイマーで約40分後に点火され、銅板(重さ約2.5キロ)がりゅうぐう表面に衝突。はやぶさ2は起爆までの間にりゅうぐうの陰に退避した。

衝突の様子は、別に分離した小型カメラ(DCAM3)で撮影し、りゅうぐう表面から砂のようなものが噴出する姿を捉えていた。噴出物の高さは数十メートルとみられ、科学観測担当の荒川政彦・神戸大教授は「きれいな噴出物が出たことから考えると、クレーターが作られた可能性が高い」との見方を示した。

記者会見で笑顔を見せるJAXAの津田雄一プロジェクトマネジャー(中央)ら=5日午後、相模原市のJAXA宇宙科学研究所記者会見で笑顔を見せるJAXAの津田雄一プロジェクトマネジャー(中央)ら=5日午後、相模原市のJAXA宇宙科学研究所

「はやぶさ2」から分離された小型カメラが撮影した写真。りゅうぐう表面から出る噴出物を捉えた=5日午前11時36分(JAXA、神戸大など提供)「はやぶさ2」から分離された小型カメラが撮影した写真。りゅうぐう表面から出る噴出物を捉えた=5日午前11時36分(JAXA、神戸大など提供)

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