福島県大熊町の一部避難解除=第1原発立地町で初-帰還に課題も

社会

東京電力福島第1原発事故で、福島県大熊町の全域に出された避難指示の一部が10日午前0時、解除された。第1原発が立地する大熊、双葉両町での避難解除は初めて。事故から8年がたち、町はようやく復興に向けた一歩を踏み出した。

原発事故により全域が警戒区域に指定された大熊町では、全町民約1万1500人が避難を強いられた。「帰町を選択できる環境をつくる」(渡辺利綱町長)として、大川原地区を復興拠点に位置付け、除染やインフラ整備を行ってきた。

解除されたのは、居住制限区域の大川原地区と避難指示解除準備区域の中屋敷地区で、町面積の約38%。人口の約3.5%に当たる138世帯367人(3月末時点)が住民登録している。一方、かつて町の中心部だったJR大野駅周辺は、原則立ち入り禁止の帰還困難区域のまま。町は中心部を特定復興再生拠点として集中的に除染・整備し、2022年春の解除を目指している。

ただ、今回の解除により住民の帰還がどこまで進むかは見通せない。17年春には、浪江町、富岡町、飯舘村、川俣町(山木屋地区)の避難指示が一部を除き解除されたが、帰還率は約20%と低迷。大熊町が1月に実施した住民意向調査でも、「戻りたいと考えている」との回答は14.3%にとどまり、「戻らないと決めている」が55.0%、「まだ判断がつかない」が28.4%だった。

福島県大熊町で整備が進む役場新庁舎。5月7日から業務を始める予定=3日、同町福島県大熊町で整備が進む役場新庁舎。5月7日から業務を始める予定=3日、同町

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