WTO最終審、日本が逆転敗訴=韓国の水産物禁輸を容認-政府、「撤廃」要求継続

社会 経済・ビジネス 政治・外交

2011年の東京電力福島第1原発事故後、韓国が福島など8県産の水産物輸入を禁止している問題で、世界貿易機関(WTO、スイス・ジュネーブ)の最終審に当たる上級委員会は11日(日本時間12日未明)、禁輸を「不当」とみなした紛争処理小委員会(パネル、一審に相当)の判断を取り消し、日本の逆転敗訴とした。禁輸は継続される。被災地の早期復興を目指す日本は厳しい対応を迫られる。

菅義偉官房長官は12日の記者会見で「日本の主張が認められなかったことは遺憾」と述べた。吉川貴盛農林水産相は閣議後の会見で「協議を通じ、措置の撤廃を求めていく」と述べ、引き続き韓国へ輸入再開を働き掛ける意向を示した。

韓国と同様に輸入規制を続ける中国など他の国・地域の今後の動向にも影響を与えそうだ。

上級委は、パネルが禁輸措置について「不当な差別」と判断した過程で、韓国と、原発事故があった日本で環境が異なることが十分考慮されていなかったことなどを指摘。それが判断取り消しにつながった。一方、日本の水産物の安全性を認めたパネル判断については、否定しなかった。

韓国が輸入を禁じているのは、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉各県の水産物。このほか、わずかでも放射性物質が検出された食品については、追加検査を求めている。

竹浦漁港で水揚げされたホヤ。韓国の輸入規制で販路を失ったため焼却処分される=2016年8月26日、宮城県女川町竹浦漁港で水揚げされたホヤ。韓国の輸入規制で販路を失ったため焼却処分される=2016年8月26日、宮城県女川町

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 安全・危機管理 通商・貿易・対外投資 通商政策 東北 岩手県 宮城県 韓国