両陛下にささぐ牛の角突き=被災地訪問に感謝込め=中越地震15年-新潟・山古志

社会

中越地震から15年を迎える新潟県長岡市の山古志地域(旧山古志村)で28日、国の重要無形民俗文化財「牛の角突き」(闘牛)が、今月末の天皇陛下の退位に合わせ特別開催される。「寄り添ってくださった」。主催者らは、地震直後の村に足を運び被災者を励まされた天皇、皇后両陛下への感謝を込め、平成最後となる伝統行事に臨む。

68人の犠牲者を出した2004年10月の中越地震。両陛下は発生からわずか2週間後に避難所を訪問し、「助け合ってきれいな村を取り戻して」などと一人ひとりを励ました。

ただ、地震の爪痕は深かった。牛舎倒壊などで約70頭いた牛は半減。長い歴史を持つ「角突き」は中止に追い込まれた。地元で本格的な再開にこぎつけたのは3年半後。主催する山古志闘牛会の松井富栄会長(37)は当時、「やっとここまで来られた」と、復興の手応えを実感した。

両陛下が復興状況視察のため、被災地を再訪問したのは08年9月。牛舎の管理人だった松井さんは、角突きの練習風景などを案内した。「地震で大変な中でも、文化を残してくれてありがとう」。天皇陛下からこう言葉を掛けられ、温かい気持ちに触れた松井さんは「(闘牛を)続けていてよかった」と感じたという。

両陛下は2度の山古志地域訪問後、復興に思いを寄せて、「角突き」の光景を歌に詠んだ。「牛の事を気に留め、小さな村の出来事にまで気を配ってくださった」と松井さん。退位直前に開く特別場所で、開催に込めた両陛下への感謝の気持ちを観客に説明するつもりだ。

新潟県長岡市の山古志地域(旧山古志村)で行われた闘牛「牛の角突き」。奥は山古志闘牛会の松井富栄会長=2018年5月(同市提供)新潟県長岡市の山古志地域(旧山古志村)で行われた闘牛「牛の角突き」。奥は山古志闘牛会の松井富栄会長=2018年5月(同市提供)

牛の世話をする山古志闘牛会の松井富栄会長=3月15日、新潟県長岡市牛の世話をする山古志闘牛会の松井富栄会長=3月15日、新潟県長岡市

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 皇室・王室 社会一般 日本 新潟県 甲信越