「憲法の番人」に初の女性=一時は3人、旧姓使用も-最高裁、平成で実現

政治・外交

女性を積極登用する機運が高まった平成。「憲法の番人」と呼ばれる最高裁も例外ではない。1994(平成6)年に初めて女性判事が誕生。一時は現職15人のうち3人を女性が占め、旧姓のまま務める判事も現れた。

初の女性判事は94年2月、66歳で就任した高橋久子さん=故人=。最高裁で114人目の裁判官だった。東京大経済学部を卒業し、53年旧労働省へ。婦人労働課長や婦人少年局長を歴任し、当時の細川内閣が任命した。

高橋さんが退官した97年9月から、横尾和子さん(77)=元社会保険庁長官=が就く2001年12月まで女性不在が続いた。その後は途切れることなく、弁護士出身の鬼丸かおるさん(70)が就任した13年2月からの約4年間は、3人が女性だった。

3人の存在が際立ったのは15年12月。15人で審理する大法廷が、10人の多数意見で民法の夫婦同姓規定を「合憲」とした時だ。「社会の変化とともに合理性は揺らぎ、現時点では憲法に違反する」。大法廷に座った鬼丸さんと桜井龍子さん(72)=元労働省局長=、岡部喜代子さん(70)=慶応大大学院教授=はそろって反論した。

だが、桜井さんが17年1月に定年を迎え、鬼丸さんと岡部さんも19年2~3月に退官すると、現職は18年1月に女性6人目の判事となった宮崎裕子さん(67)=弁護士出身=だけに。17年に判決文などで旧姓使用が認められて以降、婚前の姓を名乗る唯一の最高裁判事だ。

「差別を受けた経験があると敏感にならざるを得ない」。退官後、取材に応じた桜井さんは、夫婦同姓規定をめぐる大法廷判決について、「差別を意識したことのない方との間で、判断に差が出た。バランスの取れた結論に女性は不可欠」と強調。現在は裁判官全体の2割が女性だとし、「最高裁判事は少なくとも3人は女性が務めるべきだ」と話した。

取材に応じる元最高裁判事の桜井龍子さん=3月8日、東京都千代田区取材に応じる元最高裁判事の桜井龍子さん=3月8日、東京都千代田区

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