杉原千畝の植樹新たに=記念碑消失のイスラエル中部

社会

【ベトシェメシュ(イスラエル)時事】イスラエル中部ベトシェメシュの中高一貫校で2日、第2次大戦中に「命のビザ」でユダヤ人数千人を救った外交官杉原千畝(1900~86年)を顕彰する植樹の式典が開かれた。今年2月、同地近郊に以前存在していた植林や記念碑が宅地造成工事の後、消失したことが時事通信の報道で明るみに出た。この問題は地元各メディアが大きく取り上げ、ショックを受けた教員の有志らが新たな植樹を企画した。

この日はイスラエルでナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲者を追悼する特別な日。午前10時(日本時間午後4時)すぎ、全土で黙とうのサイレンが鳴らされた。中高生が通うブランコベイス学校(生徒約1300人)ではこの直後、生徒たちが見守る中、杉原のビザ発給で大虐殺から逃れたベール・ショールさん(91)や、在イスラエル日本大使館の大隅洋公使らがカシの木の植樹を行った。新たな記念碑も設置された。

植樹を企画したガディ・ディムリ教諭(歴史)は「報道に衝撃を受け、教育上の観点からも行動しなければならないと思った。杉原千畝の話は心に刻まれており、今回の植樹は犯された過ちを正す最低限の行為にすぎない」と語った。

杉原千畝を顕彰するカシの木の植樹を行うベール・ショールさん(右)=2日、イスラエル中部ベトシェメシュ杉原千畝を顕彰するカシの木の植樹を行うベール・ショールさん(右)=2日、イスラエル中部ベトシェメシュ

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