インドに根付く岐阜米ハツシモ=邦人指導の有機栽培、農家救う

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インド北部ウッタルプラデシュ州アラハバードで、岐阜産のハツシモなど日本米の有機栽培を邦人が指導する取り組みが10年以上続いている。生産は軌道に乗り、経済発展から取り残されがちな地方の農家が現金収入を得て子供の教育を充実させるなど、成果が出始めている。

指導するのは、現地のサムヒギンボトム大農学群の三浦照男・継続教育学部長(66)=北海道赤平市出身=らアラハバード有機農業組合(2008年設立)のスタッフ。

ウッタルプラデシュ州は人口2億人超で、インド内でも貧しい州として知られる。三浦さんや前任者は、農家の安定収入源として「日本の十倍の値段で売られていた」(三浦さん)日本米に目を付けた。インドには現在約9000人の日本人が暮らすほか、年約7%の経済成長で増加した中間層の間で、日本食を好む人も増えている。有機米を売れば付加価値が出ると判断した。

しかし、アラハバードは1年の大半が気温30度超、4~6月には40度を超える厳しい環境だ。九州の米を試したがすぐに育ち過ぎてしまい、中身が成熟しなかった。

そんな中、比較的順調に生育したのが、ハツシモと秋田産のあきたこまちだった。13年には収量が安定し、18年は計70トンを収穫。今年は135トンを目標とする。

三浦さんによると、地元の農業は「適当に種をまき、草取りもせずに収穫する」やり方で、発育を良くするため間隔を空けて苗を植えるといった指導がなかなか浸透しなかった。栽培法を学ぶ過程で「手間がかかるだけだ」と離脱する農家も多かったという。

組合農家のバジャランギさん(30)は「地元米なら1キロ当たり17ルピー(約27円)のところ、日本の有機米は倍以上の値段で売れる。教師が不足する公立校でなく、私立校に子供を通わせられるようになった」と喜ぶ。三浦さんは「彼らの次の世代は販路開拓も自分たちでこなし、持続可能な仕組みをつくってほしい」と語った。(アラハバード=インド=時事)。

日本米の有機栽培についてインド人生産者に指導する三浦照男さん(右から2人目)=10日、インド北部アラハバード日本米の有機栽培についてインド人生産者に指導する三浦照男さん(右から2人目)=10日、インド北部アラハバード

有機栽培について三浦照男さん(右端)に報告するインド人生産者=10日、インド北部アラハバード有機栽培について三浦照男さん(右端)に報告するインド人生産者=10日、インド北部アラハバード

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