京都で高額伝統体験、続々と=外国人富裕層ターゲット-100万円の宿坊も

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古都・京都で伝統文化を体験できる、外国人富裕層をターゲットにしたツアーや宿泊施設が次々と登場している。外国人にとって敷居が高かったお座敷遊びや、1泊100万円の貸し切り宿坊も。訪日客のニーズが「モノ」から「コト」に移る中、京都ならではの体験への需要に対応している。

エクスクルーシブ京都(京都市下京区)は2016年から、「いちげんさんお断り」のしきたりが残る祇園などの花街で、外国人でも芸舞妓(げいまいこ)との歓談や舞の鑑賞などができる「お座敷体験」を始めた。一部プランでは経験者の紹介が必要だが、専属の通訳も付き、本物の芸舞妓と直接接することができると好評を博す。

ガイド料などが上乗せされるため料金は常連客より何割か高いが、米国から訪れた男性は「(値段に)見合った価値があった」と満足げだ。代表を務める澤田賢二さん(46)が、花街で培った自らの人脈を生かして始め、これまでに約80組が利用。澤田さんは「花街の伝統に最大限の敬意を払いつつ、外国の人にも本物の京都の遊びを提供したい」と語る。

世界遺産の仁和寺(同市右京区)は旧家屋の「松林庵」を宿坊に改築し、18年春から宿泊施設として提供している。1日1組限定で、料金は100万円(税別)。歴代の住職が執務室として使う「御殿」も一晩貸し切りにすることができ、別料金で雅楽鑑賞や生け花といった文化体験も楽しめる。

「100万円は寺に寄付していただく意味合いもある」と鴨井智峯執行。寺の主な収入源は拝観料だが、18年の拝観者数は12年から約1割減少した。寺には檀家(だんか)がいないこともあり、収益の一部は寺の修繕費や維持費に充て、財務体質の強化につなげる考えだ。

今年1月、京都駅近くにオープンしたホテル「ザ・サウザンド キョウト」は、非公開の寺院巡りなど、顧客の希望に応じた体験プランを有料で提供する。宿泊料金は1泊6万~22万円前後。担当者は「『コト消費』の需要が高まる中、サービスの質で顧客満足度を高めたい」と話している。

舞妓との歓談を楽しむ外国人観光客(エクスクルーシブ京都提供)舞妓との歓談を楽しむ外国人観光客(エクスクルーシブ京都提供)

仁和寺御殿内部にある宸殿(総本山仁和寺提供)仁和寺御殿内部にある宸殿(総本山仁和寺提供)

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