富士通、長野でジビエ管理システム=豚コレラ対策に活用も

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長野市で野生鳥獣の肉「ジビエ」普及を目指し、捕獲から処理、販売までの履歴管理(トレーサビリティー)システムを備えた加工センターが7月から本格稼働の予定だ。ジビエの消費拡大は農作物の鳥獣被害防止や地域振興に貢献する一方、衛生管理の向上が不可欠。システムを開発した富士通は、野生イノシシによる媒介が疑われる豚コレラの感染ルート解明への活用にも期待する。

「長野市ジビエ加工センター」の総事業費は約3億5000万円。年間1000頭分のシカ、イノシシの処理能力がある。従来は、猟友会が捕獲した野生動物は保健所の許可を得た施設へ持ち込まれていた。今後は、冷凍庫などを備えた同センターを使うことで供給能力や衛生管理の水準が大幅に向上する。

富士通は長野市とともに約2年かけて、個体識別番号を使ってジビエの受け入れから処理加工、在庫・販売管理までを行うシステムを開発した。消費者はQRコードを読み取ることで、いつ、どこで捕獲されたかも追跡可能。「顔が見えるジビエ」として消費者の安心感を高めたい考え。

さらに同システムでは捕獲場所を記録することで、「豚コレラなどのウイルス感染ルートの推測に役立つ」(富士通広報IR室)という。万が一、感染が発覚した場合、加工した肉の流通経路を把握できるため、迅速な回収が可能だ。

センター担当者は「ジビエを地元の新たな観光資源に育てたい」と話している。

7月から本格稼働する予定の長野市ジビエ加工センター(長野市農林部いのしか対策課提供)7月から本格稼働する予定の長野市ジビエ加工センター(長野市農林部いのしか対策課提供)

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